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2004年胸部外科医処遇アンケート調査


■研修プログラムに関する意見(会員)


■会員の意見

1 ハードルがやや低すぎる。
2 適正な検証が可能か?はなはだ疑問である。
3 研修プログラムを行う指導者の研修がまず必要。
4 指導医は積極的に下のものに手術を指導すべきである
5 施設間で症例の種類が異なるので、一律にはいかない。
6 各施設の事情は設備や、患者数も考慮しないといけないと思う。
7 研修を受ける側にも、評価が必要だし、与える側にも評価が必要。
8 学会には早急に研修プログラムのガイドラインをご提示戴きたい。
9 プログラムの内容は少なくとも評議員の多数の同意が必要と考える。
10 おおまかなガイドラインは必要かと思うが,あまり細かい必要はないと思う.
11 研修プログラムは、十分な症例数のある病院でなければ機能しないと思います。
13 有名無実化防止のため第三者(学会など)の評価と登録制による透明化が必要である。
14 研修プログラムは、ある程度の幅をもって各学会ではなく、機構が作成すべきである。
15 学会のしばりはあった方が良いが,各施設の負担が重くならないようにしていただきたい.
16 プログラムはできるだけシンプルが良い。細かなことを書けば書くほど絵に描いた餅となる。
17 本当に,専門医制度を作動させると大学の医局システムは崩壊するが,その対応はどうしますか.
18 研修プログラムといっても、結局は患者相手の練習プログラムであり、広く社会への理解を得るべきである。
19 胸部外科学会が呼吸器外科専門医の研修プログラムを統括するよりは,呼吸器外科学会が管理すべきと考えます.
20 センター病院化による症例の集中を計り、症例の多い施設でのみ研修を行い、卒後10年までに指導医を目指す。
21 施設ごとの特徴としてみられる症例の数や疾患の偏りが考慮されたプログラム(のガイドライン)であってほしい。
22 現在のところ、手術数などについて、病院間の格差が大きすぎて一律の研修プログラムは難しいのではと思われます。
23 全国共通の研修プログラムをつくり、その実施を認定条件に含め、最低条件を完遂できない施設は、認定施設からはずす。
24 若手医師の教育のために、手術をさせる必要性、そのリスクの受容に関して、社会とのコンセンサスを作っていく必要がある
25 欧米のうまくやっている制度を導入すべき。これはすべての医者に行なうべきで大学教授などの立場を養護する制度となってはならない。
26 学会が中心となって研修プログラムを作る必要があると思います。作成にあたって非常に優秀な(理想的な)内容の方がいいと思います。
27 日本胸部外科学会と日本呼吸器外科学会という2本立てでは社会を納得させることができるかどうか。再び学会を統一してはどうでしょうか。
28 ガイドラインでは、どの施設も遵守すべき基本的事項のみとし、運用については施設特異性を最大限に生かせる余地を残すべきと考えます。  
29 症例数が少ないのだから、研修する人数を少なく選抜する必要があると思う。または、症例数の多い施設のみ研修プログラムをもてるようにすべき。
30 研修プログラムを大学病院および同等の施設中心で作成すると採用できない施設が多数出てくる可能性がある。それに対し施行を義務付けるのは困難ではないか。
31 修練を希望する人間が多ければ、症例数が相対的に減ってしまい、研修には不十分になってしまうので、施設の症例数に応じた研修員数の配分を適切に行うこと.
32 各施設の症例内容と症例数などとスタッフ構成に大きく影響されるので、研修プログラムの理想型の提案は容易であるが実際の運用は容易ではないのが現実である。
33 研修プログラム実施状況の検証・チェックを行うことは、学会が、診療内容を検閲することに外ならず、新たな権力を学会が有することになり、むしろ危険である。 
34 術者、助手の定義を、明確にすべきと考えます。また、そのcheck機構も必要であると考えます。また、症例数などで研修施設のランク付けも、必要かもしれません。
35 研修プログラムは、施設や指導医によって、事情が異なってくる。ある程度の自主性をもたせたプログラムが必要であり、ある意味では研修ガイドラインでも良いと思う。
36 血管外科専門医と心臓外科専門医は区別すべき。両者をもてる医師がいても良いが市中病院で心臓外科が多すぎる。セレクトするには差別化と救済措置が必要と思います。
37 どれかを選ばなければならないので反対にしましたが、反対というわけではなく外科学会の制度が上手く機能しているのかどうかをまず検証していただく事が必要かと思います。
38 指導医が手技等について上手くできたかをcheckして記録に残せるようなものを作ると後で症例等を集めるより確実で効率的だと思う。指導医の権限をもっと強くしてほしい
39 研修プログラムが実際に機能しているかどうか評価するには、学会から独立した米国のRRC (Residency Review Committee)に相当する組織が必要
40 必要な手術数が少なすぎて、満足に手術もできない専門医となってしまう。大学病院に在職している修練医を考慮しているのかも知れないが、それでは意味のない専門医制度である。
41 胸部外科学会で専門医を論ずる必要はない。第3者機関に認定制度をゆだね各学会はそれに資料を提供すべきである。学会が認定することを前提としたプログラムを作るべきではない。
42 8-2で述べましたように、小児心臓外科の研修など、当該施設では充分な経験が出来ない場合、他施設との交流やセミナー参加などでカバー出来る体制を学会で機能させていただきたい。
43 論文教授ではない、実地臨床に携わっている医師により作られるべき。胸部外科学会の関与はあっても構わないが、現状から考えると、ガイドライン作成は各専門医認定機構に委ねるのが適当だと思う。
44 研修プログラムの学会主導による作成、ならびにその遵守に関しては大いに賛成であるが、そのシステムが採用できない小さな施設の関する対策をしっかり立てないと、小さな施設をつぶすことになりかねない。
45 標準的な手術を安全に実施できるだけの技量と知識が備わるようなプログラムが必要である。また、それに則り、修練が行われていることを評価する体制が必要である。相互訪問などで。3分野の研修を行うことが望ましい。
46 米国でも行われているように施設で修練医に十分ば症例を手術させているか否か、また手術させているとすれば、そのことによって成績が低下していないかなどを検証することが修練医および患者さんの双方にとって必要と思います。
48 若い研修医の教育は極めて大切であるが、患者側の術者選択権を犯してまで研修医を術者にすることはできない.紹介患者が多い施設では研修医の手術症例が十分確保できないことがあり、学会版の画一的な研修プログラムを遵奉できない可能性がある.
49 大学病院の関連病院としてローテートしてくる若い医師に十分な研修をさせてやりたい。学会として基準を作ったり、インターネットで症例登録や研修の管理ができるのはいいことではないか。無論、施設の実情に応じた内容とし、あまり、規制をするのは考え物である。
50 臨床成績だけを追求する大学と、その中から非近代的な選挙方法(票の取りまとめ)で選ばれた大学人が圧倒的多数を占める学会そのものに多くの問題があることに早く気付くべき。そのような学会にシステム実施の是非を正しく検証する能力が備わっているか否かは疑問。
51 指導医に、若手を育てるという意識、そのことへの誇りを持っていただきたい。米国式に、指導医への指導状況を検証、チェックするプログラムを確立すれば、自ずと改善されるのでは?また単に、症例数、手術経験だけで専門医とみなす制度では、ピンキリの専門医ができてしまうのでは。
52 学会が全ての研修を把握するという理想は分からなくもないが、それは現実的にはまず不可能でしょう。医局制度が存続している以上、医局の縛りから離れて本当に必要な研修をうけたくても実際は困難なことであり、その現実が改善されない限りはどんな理想をたちあげても、それは理想でしかありえません。
53 上述したが,症例数が確保できる仕組みまでも,学会として働きかけて作ってゆこうするのか,最終的にそのことが問題となるのではないでしょうか.症例確保の点から言えば,診断学等の事も考慮して日本循環器学会などの内科系学会との専門医・研修指定病院のリンクなども考慮されなければならないのではないでしょうか.
54 研修目的が専門医資格取得にあり、かつ専門医制度維持に必要最低症例経件数が必要であるならば、研修に参加する時点で選抜がなされるべきではないでしょうか。人数は、研修参加施設の症例数のうちレジデントケースがどれくらいあるかを調査して適性数が決定されます。競争のため2‐3割増の人数でスタートすればよいと思います。
55 専門医という言葉からは、指導医的なニュアンスを一般的な患者は受けると思う.今の専門医は、認定医的であり、こんなものでいいのだろうか?研修プログラムを作るにしろ、症例の少ない施設でもクリアーできるようなレベルの低いものでは、意味がない.手術経験の他に、術後膿胸や、術中の肺動脈出血からの対処など、入れるべき。
56 施設間での症例数の多寡、施設内においても症例の偏りなどがあると思われ、研修プログラムの一律化は困難である。指針を学会主導で示すべきであるが、詳細については各施設の裁量も考慮されねばならない。詳細なプログラムは各施設で作成し、学会などの専門医機構などでの指導の下、承認をうけて運営されるようなシステムが望まれる。
57  大学に於いては、若手医師が医師としての仕事に集中できるように、paremedicalを増やし、仕事に見合った報酬を出し、お金稼ぎに他の病院に出かけることのないシステムができなければ真の専門医制度は作りがたい。わずかな人数で教育・研究・臨床の仕事を強いられる現状では、研修医向けの理想的プログラムを作ることは難しい。
58 現状では心臓血管外科医は外科専門医を基盤にregistration されている訳でなく、全てが心臓外科医の能力を持つと判断された訳でないため能力に応じたスケジュールが発生することを考慮すべき。またはregistrationの段階で不適と認めたものは受け付けないなどの規制が必要。術後管理だけのための心臓外科医を作らない。
59 研修プログラムを達成出来ない施設で。地域としては存在価値がある場合、研修プログラムからみると存在価値は少なく、若い人に対する場とはなり得ない。この点から、日本における実情は、一定の基準を何処に設けるか、または病院のあり方にも、問題がある。本気で研修システムを考えも、これに関係する人たちが、守らなければ、上手く行かない。
60 国家試験だってみんな同じなのだから心臓外科研修プログラムは専門医制度で統一したものにすべきである。規定症例数に足りない病院は修練病院と認めない、とすべきです。大学であっても手術数の少ない医局はいっぱいあります。そのようなところは研修病院とすべきではありません。なんでも大学中心とすべきでなく、大学関係者も襟を正すべきです。
61 研修登録システムを設け,研修実績を報告させるとともに,研修を受ける側からの評価をさせるべきだと思います.評価の低い病院は,研修病院からはずすことができるぐらい研修評価機構の権限を高めるべきだと考えます.さらに大切なことは,研修評価を行う先生方が,高い問題意識をもってこの現実に対し私利私欲を排してお考え頂くことが大切かと思います.
62 病院(施設)として、明らかに不適切なのに心臓血管外科や呼吸器外科をむりやり関連施設として標榜しているところもある。患者や若手医師が騙されないようにする意味ではプログラムは有効であろう。ただ、人間相手の研修であるし、一度プログラムを決めたからと言って毎年同じ内容の研修ができるわけはなく、ある程度の緩やかな取り決めである必要がある。
63 そもそも現在の心臓血管外科医療を支えている現場医師の過重労働の「構造」にメスを入れず、現場から乖離した少数の人々でデスクの上でどんどん進められた研修プログラムは、最初から理想論であり、医師も社会も本当に機能するなんて思ってもいないと思います。誠に残念な事です。現実逃避をさらに続けることなく、政治的にまず「構造」にメスを入れてください。
64 手術手技としての基本的なものは必要と考えますが,各施設での手術に対する患者管理や手技上の違い(指導医の先生方の考え方の相違や今まで行ってきた手技の相違)が見受けられます。そのためどの程度,各施設で同等なプログラムを実行できるかは現状では困難なように思えます。今後学会等通じて治療・手技に関する基本的な要綱をまとめていく必要があると考えます。
65 安全に確実な手術ができるかどうかが外科医の唯一の評価基準であり、心臓大血管なら開心術200例の執刀は専門医と名乗るのに必要と考える。研修プログラムは施設に任せれば良い。後進の指導、科学的かつ合理的な医療を行いこの分野の進歩に貢献するという意味での学術活動は必要と考える。外科医の数と手術件数とを勘案して必要経験症例数を示す現在の制度は維持されるべきでない。
66 プログラム、専門医、資格心臓外科入局後の議論より現在明らかに将来必要とされる術者より多くの人間が心臓外科医を志す中、ある程度の入局後の個々の能力の見極め、競争という意味での人数は必要であるとは思われます。しかしながら現在その数は遙かに多く、やはりもう少し心臓外科医を志す時点での規制、制約が必要なのでは・・・現在の卒後二年の修練時期、一般外科での評価など。
67 各施設で症例の種類や条件が違うため,同じカテゴリーでガイドラインを作ることは不可能ではないか.前述したように私の施設は専門医が2名,レジデント1名の体制で心臓血管外科症例年間250例をこなしていますが人工心肺+CABGは70例前後で,施設認定基準を満たしていません.しかし地域性およびこのスタッフではぎりぎりです.施設基準をもう一度見直してほしいと思います.
68 各施設のプログラム遵守を促すためには,各施設内に各修練医のプログラム進捗度を統括管理するための学会派遣事務員,または学会認定事務員を置き,年度毎に教授または所属長,学会本部などに報告・改善勧告できる体制が必要.遵守不能の施設は認定を取り消すべき.修練医が関連病院に長期派遣中は施設間の事務員が各医師のプログラム進捗度を申し送りする.プログラム進捗度には客観評価が必要です.
69 専門医を取得した後の研修プログラムは必要ないと考える。その逆に、専門医を取得するにあたっての研修プログラムは、何年間に何例の手術を行うという時間と症例数とを具体的に示したものが、学会によって作成されるべきであると考える。絵に描いた餅になる可能性をこのアンケートは懸念しているが、その抜本的な解決策は、専門医が執刀しなければ、保険点数が請求できないようにする制度的な改革だと考える。
70 症例数の限られる我が国においては,現状の外科医の数を維持したまま,「専門医」と呼ばれるに足る症例数を,皆が等しく経験することは,到底不可能である(誰もがそう感じていると思いますが).ですから,プログラムの作成と同時に,外科医の適正な数をコントロールする仕組みを,早急に確立してほしいと願います.そのためには,現在医者がこなしている,様々な雑用を他業種の人が行えるような枠組みが絶対に必要だと思います.
71 少人数のため指導においては、マンツーマンに匹敵する程の指導が可能であり、現在の当院の状況からすればプログラムの必要性はあまり実感はない。しかし最低限の修練は必要であると思います。各施設で発展できる基本プログラムを作成する事は困難でしょうか。ばらつきが出てしまう事は否めないですが、逆にそれが各施設の特徴として生かし、卒業大学系列に捕われずに、修練を希望する先生方の選択肢になれば良いのではないでしょうか。
72 研修プログラムを作成することは賛成ですが、専門医、指導医を取得しても今のところ何らメリットが無いのが問題でもあると思います。日本の医療制度が変わらなければ行けないと思いますが、非常に大きな問題で個人ではどうにもならないことでもあります。学会主導でそのことについて取り組まなければ専門医をとる若手医師、指導する側の指導医の意欲を失わせることとなりそれこそプログラム自体が絵に描いた餅になりかねないと思います。
73 日本に呼吸器外科専門医が何人必要なのか?それをまず明快に設定し、その人数を生み出すようにプログラムを作成することが必要と思います。(現在よりずっと少なくて良いと考えます。)一人あたりの手術数はもっと多数が必要です。最低でも年間に執刀50例、助手50例。「切れない外科医を消滅させたい」のが現在の国民のトレンドであると思います。そして、そのことが正しいのは自明です。学会が専門医を量産して将来路頭に迷う人間が出ては困ります。
74 基幹病院が多すぎるので、各県あるいはブロック毎に1施設に限定する.その他の施設は関連協力施設として大きなグループを形成することにより専門医を育成すれば症例の偏りや治療方針の偏りがなくなると考えます.基幹施設といえども成人から小児そして血管外科まですべて網羅することは現実的には難しいはずです.医療を受ける側からみると専門医は本来指導医レベルの条件が要求されるものと考えます.現在の専門医条件では有名無実の専門医ではないでしょうか.
75 施設により症例数が大きく異なるため,症例数の少ない施設ばかり抱える地方では研修がプログラム通り進まないことが予想されます.施設を国による認定制度とし,「ある一定の症例数がない施設は心臓血管手術を行っては行けない」といった施設の統廃合でも行わないと,症例数の少ない病院の乱立を防ぐことは出来ません.その場合でも,医長の力量により修練医に等しく手術の機会が与えられるか非常に疑問です.指導医が修練医にどれくらい術者をさせたかを評価すると良いかもしれません.
76 前回も述べさせていただきましたが、研修開始時にある程度のセレクションが必要と思います。理由は、1.専門医をめざす者全てがプログラムを終了できるわけではないし、この時点で競争も必要2.一方、中途脱落してもいわゆる"つぶし"が効かない(勿論、多少の競争はやむを得ない)、また3.限られた症例の中で、脱落者分の執刀症例を有効に利用するためです。現在の厳しい医療環境で経験を積ませることは、指導医側にも多大のリスクを課します。学会には社会の理解と賛同を得る努力が望まれます。
77 このようなアンケートの実施ご苦労様です。まず人数制限を最初から設けて、研修を受けられる人数を制限していく必要は明らかですね。多少の勧誘と憧れで入局した研修医が惰性で教育を受けていくというのは、限られた症例数のなかで、無理なのはあきらかです。これを実践するにはやはり、学会で研修施設を限定して、募集人数を限り、それに応じて試験などでふるいをかけていく方法などが考えられますが、他の診療科ではそのような方法がない、特化した地域性の中での体制の確立は難しいことはわかります。
78 研修プログラムはとても大切であると思います.心臓外科医としての修練は,若い時期に多くの手術を行うことが大切です.手術することなく年数が経ってしまうことは,結局は医療の質の低下を招きます.現時点で,各施設による研修プログラム作りがうまく機能しないのであれば,学会主導で行うことも必要かもしれません.しかしながら,全ての心臓・胸部外科医を目指す医師が専門医に成れるわけでもありません.よって,専門医になれなかった医師をカバーする受け皿作りもまた,必要なのではないでしょうか.
79 現在の医療情勢は厳しく、当施設では資格を取らせるため若手医師の執刀と記録上はなっていても患者への配慮から実際は指導医がほとんどの手技を行っているのが現状であり、資格は取れてもいざ一人で手術ができるかというとそうではないという、まさに資格が有名無実化しつつあると思います。やはり学会がある程度研修プログラムに関してその内容や実状を把握し、あまりにも独善的な施設に関しては積極的に指導していく体制を取ってもらわないと、同じ専門医でも付いた指導医によって特に技術面で大きな開きができると思われます。
80 研修プログラムは各病院、大学の環境が整備されないと実効をあらわさないと思います。まずは施設の環境から改善する必要があります。施設周囲の医療件における医療水準を向上させ、同じ言葉で診療ができるようにしなければならないと思います。手術数を評価の基準に使おうとする傾向がありますが、増やそうと思えば無理な手術をすればよいので、手術数を評価の対象とすることには反対です。一律に手術数や就業人数/手術数で評価することもできないと思います。専門医の認定に関しては、手術実施件数、考査、面接で決定すべきと考えています。
81 症例数の少ない日本の施設では,研修を行うこと自体にかなり無理があると考えます.従って,研修プログラムが実施できる施設は,年間症例数が例えば300以上などとかなり上げる必要があると思います.このことは,すなわち心臓外科医の数をおのずと減らすことに相当します.高い技術をもった心臓外科医を日本に定着させていくには,日本の人口に見合った,そして地域に見合った心臓外科センターの確立と,技術を習得した心臓外科医のみが手術を行っていくように変えていくべきです.そのためには,厳しい試験制度の導入も必要になると思います.
82 研鑽する者の診療能力が手術経験数や業績の数だけで認定できるかいつも疑問に感じる。これまでの多くの外科系研修プログラムが単なる診療経験数などのノルマを課すだけになっていて、外科医としての技術や能力を正確に評価できているとは思えない。小生は研修指定病院である当院の外科系研修プログラムを作成する立場にあるがプログラムやシステムが医師を育てるのではないことを痛感している。研修プログラムや教育システムは研修の機会均等を保障するものであれば良いのではないか。専門医にふさわしいかどうかは本来試験官が診療現場に赴いて様々な角度から判断するものと思う。
83 日本の医療レベルでは海外の主要施設並みの臨床経験を積むことは不可能である。それは無理としても、現に100例以上の開心術を行う施設は少なく、症例の多い大学病院は雑用が多くスタッフも多く手術教育機関としての機能は低いために若手の活躍の場は少ない。現行の医療には問題が多すぎてそれらを同時に解決しないとプログラムは意味をなさないと思われる。第一、誰が研修医を教育してそれをチェックするのか。学会や国が指導しても内輪でやることに正当な評価できるのか疑問である。とにかく現場が雑用などで忙しいことが問題。研修プログラムもその雑用に一つになりかねない。
84 1、現在手術をしている(部長とか科長クラス)が若い人たちに手術のチャンスを与えること(自分が前立ちに回って、素質があると思う人を育てる)を真剣に考える必要あり
2、素質がないと判断したら、別の道に進むようにアドバイスする勇気を持つこと(指導者が)
3、(昔はほとんどそうだったけど)何時までも手術を独り占めとは言わないまでも、下にやらせない外科医は問題あり
4、(実現可能かどうか分からないが)全国に何カ所か拠点病院を作ってその道の指導者が交代で指導する体制はどうか(国立循環器センターで修練を積んだ若い先生が育っている現実を見てそう思うのですが)
85 日本の現況では、心臓外科として小規模の施設が多すぎて、指導する側でさえ、十分な数の手術数がなく、医療の質の向上を阻害している。学会を取り仕切っておられる方々が、各大学の医局のやりくりや、ご自分方の資格獲得・維持のために、都合良く制度を取り決めしているようにも見える。心臓外科医になること自体を、もっと狭き門とする必要がある。優れた心臓外科医は、症例数や研修の方法によって形成される類いのものではない。研修機会等において、不平等が生じることは、能力において当然のことであり、それを、平等化しようとすることから、かえって、心臓外科医の質にゆがみを作っている。
86 教育という言葉の裏の意味は「選別」であると思います。他の業界では全く当然の事ですが、この点が全く議論に載っていません。心臓外科専門医の教育プログラムは、全員卒業を前提とした自動車学校のプログラムとは根本的に違うものなのです。適性の無い者を振るい落とすシステムを同時に組み込まなければ、絶対にうまくいきません。この点を履き違えているため、20例等というママ事レベルの条件が出てくるのです。桁がひとつ違うのではないでしょうか。心臓外科医を目指すと手を挙げた者全員に6年間もの「平等な」教育を施すのは無駄です。上のアンケートを見ていると、各施設が出来だけ沢山の「専門医」を生み出す事が求められている様に思えます。
87 まず、学会としては、全ての胸部外科医を施設のトップに成れる様な術者にする必要があると考えているのかということが問題だと思う。その上で年間200例の手術をこなす術者は年間50例の手術しかできない術者より程度の差こそあれ絶対に上手い。また生涯5000例の手術をした術者は500例しかしていない術者より普通は成績は良い。これだけの事だと思う。つまり、年間症例数が100例に満たない様な施設では、術者が下の者に手術をやらせれば、手術の成績が下がるので、今の時代、競争に勝てない。従って、症例が増えず、悪循環となる。現状では画一的な研修プログラムは機能しない。しかし、日本では地域住民のために、年間50例の施設も必要だったりする。難しいことだが、まず、行政による個人病院も含めた施設の整理が必要である。
88 施設ごとに手術内容や手術件数もばらばらの状態でお仕着せの研修プログラムを作ったところで何の役にも立たない。研修制度の全国的な標準化がなされていない現状で形だけ専門医制度をスタートさせて何の意味があるのか大いに疑問だ。専門医になる基準も甘く、術者経験が殆どなくても専門医と言っていいのだろうか。形だけアメリカを真似しても、中身が伴わなければ笑い者になるだけだ。私は卒後12年目でアメリカ臨床研修を3年間行なったが、日本ではCABGの経験は全くなく、内胸動脈の剥離経験すらなかった。それでも「胸部外科認定医」の肩書きは持っており、アメリカ人から「日本の認定医とはいったい何物か」と聞かれて答に困ってしまった経験がある。大変恥ずかしい思いをした。また、「何年経験したら胸部外科医になれるのか」とも聞かれ、「教授がいいと言うまで何年でもかかる。20年以上かかる事もある」と答えると、相手は開いた口がふさがらなかった。結局、日本から医局制度、医師派遣制度、一般病院の派閥など、旧態依然とした体質を根底から見なおさない限り、専門医制度だけ良くしようと思ってもすぐに限界が来るであろう。
89 1.学会で研修プログラムの基本を作ること。
2.登録制度として、その実施実態は総ての若手(修練医、修錬を希望する医師に公開すること。 
3.臨床研修制度のように若い人がマッチング方式により、医局の壁なく応募できる公募方式とすること。
90 各施設で研修プログラムを作成し,若手医師に教育していくシステム作りは重要であるが,その施設ごとになにか特徴があるはずである.そのため,学会が強制的にプログラムを作成し,遵守させていくという方針には無理が生じると思われる.またそれに従おうとすれば,症例数の少ない施設などでは患者の不利益が生じる可能性もある.これは絶対に避けなければならないことである.学会でベースとなるものを作成することには反対しないが,最終的なプログラムはあくまで施設ごとで決定する必要があると考える.
91  学会が何らかの指針を医師サイドにも世間にも示すべきだと思います。
92 当大学病院は、臨床にコンピューターシステムを導入していますが、研修プログラムにしても、専門医取得にしても、医師の数をどんどん減少させ、医師の仕事(基本的にはコンピューターシステムから発生するくだらない仕事)と労働時間が増加してしまい、特にそのしわ寄せがくる研修医、研究医は医師としての研修を学んでいる余裕がありません。患者さんに接している時間がありません。 今後、他の施設にも導入されていくであろうこのシステムと研修医、専門医の習得プログラムとのギャップを埋めていく事を考慮しなければならないのではないでしょうか?
93 まずは研修プログラムが行なえるような病院であるかどうかのチェックが必要。きちんとした心臓外科の専門医研修プログラムが実現できる病院は各都道府県1つか2つではないでしょうか。
94 一人あたりが術者として経験できる症例数をできるだけ多くできるように、プログラムに参加できる医師の人数を最初からしぼるべきである。
95 外国のように、指定研修施設を1年ごとくらいに、回って、6年間で、大体の心臓外科に関する手術をマスターするようにする。
96 各施設で症例数に差があるので、プログラムは各専門医にまかせてもよいと考えます。
97 各施設によって症例数や疾患の偏りがあり事情が異なるため,学会が作成した研修プログラムに沿って研修を進めることは不可能。
98 学会が基本的なプログラムを提示、それに沿って各施設又は施設群の状況に応じてアレンジする。
99 学会が研修プログラム、その実施状況を確実に把握し、専門医認定施設として不適格な施設は認定を取り消すべきである。また、その実施状況から各施設の年間の研修医採用数を学会が決定すべきである
100 患者の個人情報をいかに守るかが問題。オンラインにすると情報は必ず漏れると考えるべき。
101 研修プログラムとは直接関係ないと思いますが、医師免許自体に何らかの更新制度を作るべきではないのでしょうか。専門的な技術知識だけではなく、一般的な医療全般に関することも、少なくとも実地医療に携わるものとしては大事だと思います。学生時代に勉強したきりでは、自分の領域以外のことがどんどん古くなってしまうようで不安を覚えます。医師免許の更新で、知識の整理をしたり、変わってきたこと知る機会をつくったらどうでしょうか。筋違いの意見ですいません。
102 研修プログラムは各病院の事情(勤務形態、医師数、身分、等)が反映されているので一律に学会が規定する必要はないと思います。
103 研修プログラムを作成することに参画することは大切であるが、本来専門医の研修実態と認定業務のような医療行政上の業務は学術の研究を主眼とする学会そのものの主たる業務ではなく、学会でない別の機関に依存するべきである。
104 現在のシステムでは全く有名無実現在のプログラムも部下に作らせておいて、「この通りにやらせるつもりなんて全くない」と公言しているほど
105 現在ほとんどの施設では若手医師を育てようというところは少ないと思う。(特に心臓血管外科領域では。)マスコミに踊らされ、日本の医療事情と海外では全く違う。研修システムにしても最近はスーパーローテーションと銘打って、学生の続きを2年間追加し、それに過分給与を支払う訳のわからない制度になっている。
106 自己チェック機能があればよいと思う。
107 修練医個人の能力差が大きく画一的なプログラムは適さない.個人の能力に応じてスピードを変えるべき.
108 充実した研修を行なうためには、研修施設は症例数数に対しての人数を限定すべきです。また、研修施設では、修練医が雑用係として使われないように、集中治療部門の人員の充実などにも配慮すべきと思います。
109 症例数等にかなち差がある現状で、画一的なガイドラインなど意味がない。センター病院(国立循環器病センター、国立ガンセンター)で一定期間研修しないと専門医になれないくらい厳しいものであるべきだ。
110 常々言われているように、日本は心臓外科を有する施設が多すぎると思う。自分がはじき出されるリスクを認識しながらも、一定数の症例が確保できない病院では科をなくしてセンター化を進めた方が地域医療等の面で良いと思う。その上であれば研修プログラムを有意義なものに出来ると思う。
111 心臓血管外科に所属していると、心臓血管外科専門医よりも、外科専門医の修練をこなすのがたいへんかもしれません。
112 心臓血管外科専門医の基準が甘すぎる.毎年何百人もの新専門医が出来るなど,専門医ではない.希少価値を持たせないと,認定医制度と同じになって,意味がなくなると思います.執刀数を20ではなくもっともっと増やし,筆頭論文(もちろん英語)を複数個などとしてはいかがでしょうか?
113 大学の関連施設であるため何年目が送られてくるか不明。その学年にあわせて研修してもらっている。学会主導のプログラムがあれば現在の修練程度がわかってよいと思う。
114 大学病院では無理?
115 日本外科学会専門医制度との二段構えでプログラムを作成する必要があると考えますが、その場合、外科専門医取得修練期間に割り込める心臓血管外科もしくは呼吸器外科修練期間の自由度を提示していただきたい。
116 本来、修練カリキュラムはその施設の過去の実績に基いてしか作れない。過去3年間の施設の症例数、修練医の執刀数、第一助手数、学会発表数、論文執筆数などを、機構ならびに合同委員会(学会とすると混乱を招く)が検証する必要がある。この検証によって、実質的なカリキュラムがなく、優れた指導医がいないと認定された施設は、周辺の医療機関とグループを組んでよりよい教育システムを構築するよう、機構と合同委員会が指導すべきである。


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