医師不足、医療崩壊が進行しつつある今日のわが国の医療界で、外科医療は深刻な危機にある領域の一つとなっています。
手術に対する診療報酬の増額、“医師不足”に対する医学部定員の増加という対策は最も基本的な対策であることには間違いありませんが、このような“量的”問題への対策のみで外科医のおかれている厳しい環境が解決するとは思われません。
つまり、
1) 外科を志す若手医師が高い専門性を獲得することに集中できるような魅力ある修練環境、
2) 専門性を獲得した外科医が外科医でないとできない仕事に専念できるような就労環境を構築する“システム改革”も同時に求められています。
このような背景のもと、日本外科学会では“外科医の労働環境改善のための委員会”を中心に、裁量権の拡大したコメディカルとの協働により、外科医の生産性の向上、効率の改善を図ることが必要であると考え様々な活動を行ってまいりました。
このたび、“システム改革”を推進するために、わが国の外科医の専門性発揮、生産性や効率などの実態を把握し、データを持って社会に働きかけることを目的として、“外科医週間タイムスタディ”を行うことといたしました。Nurse Practitioner (NP)、Physician Assistant (PA)、CRNA(麻酔看護師)などのMid-level clinicianとの協働の元に働いている米国の外科医にも同様の調査を行い比較もしたいと考えております。
外科医の“典型的な1週間”を回答していただきました。
社団法人日本外科学会
理事長 里見 進
外科医の労働環境改善のための委員会
委員長 田林晄一 |
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